レーザー級は、艇長4m23cmの1枚帆ヨットで東京オリンピック採用の一人乗りのクラスです。 オリンピックでは、スタンダードが男子種目で、ラジアルが女子種目です。 ラジアルは、艇はスタンダードと同じですが、帆の面積がスタンダードより小さく、女子やユースおよび小柄な男性に適したクラスです。

パフォーマンスセイルクラフトジャパンサイトより(http://psjpn.co.jp/ja/laser/

レーザー(Laser)級のシングルハンドヨットは、 カナダのオリンピックセイラーのイアン・ブルース、世界的なセイルメーカーのハンス・フォッグ、 ヨッティング・ジャーナリストのブルース・カービーの3氏により開発された。

あるヨットレースの後で、 ヨット談義に話を咲かせているうちに、誰とはなしに『最近のヨットレースはお金がかかり過ぎる傾向にある。安くて性能が良く、レースにもレクリエーションにも適した艇を作らなければ世界中のヨットはどんどん高嶺の花になってしまうのではないか…』という心配をし始めた。

その後、何回かのブレーン・ストーミングの後、アイデアとしてされてきたのが、艇体はもとよりそれに使用するマスト、セイル等全てを均一化したクラスを作ることになった。

【Bruce Kirby】
船型およびセイルプランのデザインを担当。
小型艇のデザイナーとして知られているだけでなく、『Yacht Racing』というアメリカのヨット専門誌の編集長としても有名。 スター級オリンピック選手。
【Ian Bruce】
インダストリアル・デザイナーとして総合的なプランに参加。
レーザーの生みの親であるPerformance sailcraftの社長でもある。
インターナショナル14やスター級での活躍が知られている。スター級オリンピック選手。
【Hans Fog】
エルブストローム・セイル(カナダ)のマネージャーで、セイルのデザインを担当。
世界中のレーザーに均一なセイルを供給している。FD級オリンピック選手。

この3名のチームが何度ものブレーン・ストーミングやテスト・セイリングを重ねた結果、今までの小型ディンギーの枠から脱皮した『新しいレーシングディンギーとしても使える入門艇』の開発が始まった。
その結果、 全長4.23m、 巾1.37mで2本つなぎマストを使用してレーザーが誕生したのです。
このクラスのレースでは『君のセイルはどこのだから速い、 マストがどうだから…なんだ』というブルジョア的なヨットレース感を味わうことなくして、誰もが艇の性能ではなしに『腕前』とほんの少しの『幸運さ』を競うレースを楽しめるのです。

こういったユニークな発想のセーリングボートと、 US1,000ドル程度の低廉さとがあいまってか、カナダ、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドと最初の2年間で1万隻以上のレーザーが急速に普及しました。
各ヨット協会も、個人選手権のレースを行なうのに適切なクラスとして、1972年から米国インターカレッジシングルハンド選手権、NAYRUシニア・シングルハンド選手権など、世界中の様々な海面でレーザー級を使用してレースが行なわれています。

現在のレーザーの製造は、イギリス、アメリカ、オーストラリア、日本、の4つ工場から、全くの同型・同重量のLaserが一日あたり約90隻が生産されています。
それらの工場は 本社から艇体成形の元となるモールド類はもとより、 各種のジグまで支給されノウハウや製造のコントロール、レーザー協会の活動まで、世界的に均一化されています。

その結果、世界中に幅広く普及したレース艇として、1974年IYRU(現在の国際セーリング連盟)により国際クラスとして認められ、世界各国・各地域の選手権レースをはじめ、世界選手権や大陸選手権が次々に開催され1996年のアトランタオリンピックには『シングルハンド男子』として正式種目として採用された。

また、セイルをひと回り小さくした女子やユースをターゲットにした『ラジアルリグ』、さらに小さくした『4.7リグ』はオプティミストを卒業したジュニア用のリグが開発され、各国のジュニアやユースのプログラムや初心者セイラー向けに最も適した艇種と世界中で認められた。

よって、どこの国でもレーザーとレーザーセーラーは存在し、ユース選手権やユニバシヤードの正式種目となりトップセーラーなら誰もが通るクラスとなった。
そして、2008年北京オリンピックからはヨーロッパ級に代わって『シングルハンド女子種目』にLaserラジアルリグが採用され、セーリング競技において最もグローバルスタンダードなクラスとして定着している。

2017年11月現在、214,000隻のレーザーがオリンピックをはじめ世界中のレースに、 ウィークエンドセイリングに活用されセイラーに親しまれている。